What is CRISPR-GNDM®?

CRISPR-GNDM®とは

AAVに搭載されるエピゲノム編集ペイロード

CRISPR-GNDM®は当社が開発したエピゲノム編集技術で、切断酵素活性を欠失したCas9(dCas9)に、エピゲノムエディター(モジュレーター)を連結した分子と、遺伝子上の標的箇所を定めるガイドRNA(gRNA)によって構成されています。これをウィルスベクターに搭載可能なサイズにコンパクト化し、目的の細胞に効率良く送り届け、高い選択性をもって目的の遺伝子のON/OFFを行うことによって疾患を治すことを目指しています。

Delivery method of CRISPR-GNDM®?

CRISPR-GNDM®の送達方法

CRISPR-GNDM®はAAVベクターに搭載されて目的の細胞に送達される

CRISPR-GNDM®はDNAにコードされた形でペイロード(搭載物)化されますが、これを運ぶために我々が選択した送達技術がウィルスベクターです。ウイルスの強力な細胞への感染力を利用し、CRISPR-GNDM®を目的の細胞に運ばせると、タンパク質 として読み出され、標的遺伝子の転写制御領域に結合し、遺伝子スイッチのON/OFFを行います。

CRISPR-GNDM®は将来的にはナノカプセルなどの別の送達技術と組み合わせて使われる可能性もありますが、現在はAAVベクターが導入効率や選択性の観点から優れていると考えられるため、AAVを使用しています。

Advantages of CRISPR-GNDM®

特徴①: 長期的な効果

CRISPR-GNDM®は長期的な医療をもたらす

CRISPR-GNDM®は、1)単回投与で、2)長期に渡って効果が持続し、3)病態を根本的に改善することが動物試験の結果から明らかになっています。

特徴②: スケーラブル

CRISPR-GNDM®は多くの疾患に水平展開可能

CRISPR-GNDM®技術の場合、ガイドRNA(gRNA)と呼ばれるパーツ(❶)をターゲットの遺伝子のスイッチ部分に結合するようにデザインします。これをdCas9(❷)と、スイッチをONにする場合とOFFにする場合に合わせてモジュレーター(❸)と組み合わせてCRISPR-GNDM®分子ができあがります。
このうち(❷)および(❸)のパーツは共通のパーツとなりますので、(❶)だけをターゲット遺伝子に合わせてデザインすることで、効率よく遺伝子治療薬を開発することができると考えています。

特徴③: 安全

CRISPR-GNDM®は安全

通常のゲノム編集は、遺伝子の二重鎖切断を行うため、遺伝子を切断することに伴うガン化などのリスクが高まることが懸念されています。また狙った遺伝子ではない他の遺伝子を切断するオフターゲット切断の問題が指摘されています。
一方で、CRISPR-GNDM®技術は、切断を含む遺伝子の配列の改変を行うことなく「遺伝子スイッチ」のオン・オフのみを制御するものであるため、クリーンな方法で治療を行うことができると考えています。
また、動物試験等により、ターゲットに対する高度な選択性があることが示されており、他の遺伝子に影響を与えずに効果を示すことができると考えられています。